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笑顔 (生徒会メンバー+ロイライ(←スザ):たぶん特派編)



「えーと…ここの予算はこうでいいのか?」
「ああ。完璧だ。スザクは体力馬鹿であてにならないしリヴァルもミスが目立つからな。お前は本当に良く働いてくれて助かるよ」
「酷いよルルーシュ!!」
「俺だって頑張ってるんだぜ!」
「あははっ!買いかぶりすぎだよルルーシュ」

生徒会メンバーは、生徒会室で溜まった書類を片付けていた。
といっても実際しっかり働いているのはライ、ルルーシュ、ニーナ、シャーリーの四人だけ。
スザクはこのように頭を使う作業が出来ないし、リヴァルは飽きっぽくミスが目立つ。
カレンはそもそもこの生徒会室にいないし、会長であるミレイは丸めてメガホンにした書類を口元にあて「ガーッツ!」と叫んでいる。

「はぁ…。俺はこんな効率の悪い事をするのはいやなんだがな」
「仕方ないよ。ルルは生徒会副会長だし、このメンバーだし…」
「そうそう!」
「スザク、シャーリーに言われるのは良いがお前がそれに同意する権利は無い」

ムスッとして、文句を言いながらもきちんと仕事をこなしているあたり、完璧主義なルルーシュらしいと言えるだろう。
隣に座っていたライが、クスクスと笑っていたのをみてさらに機嫌を悪くしたルルーシュだったが、ライの笑顔を見れたのでよしとしたらしい。

「ルルーシュとスザクは仲が良いんだね。うらやましいな…と、ごめん」

小さく会釈したライは、ごそごそと制服のポケットから何かを取り出した。
蒼と白の色をした『それ』を見て、ライの頬が自然と緩む。
そんなライを見ていた皆は、実にさまざまな反応をした。
顔をしかめる者がいたり、にやりと笑うものがいたり、興味津々な目をするものがいたり…

「…あの人からメール?」

事情を知っているかのような口調でライに質問したのはスザクだった。
ライは返事代わりににこりと微笑み、『それ』のボタンを細く白い指でカチカチとすばやく押していく。
できた、と最後にもう一度『それ』のボタンを押して、ライは『それ』を机の上に置いた。

「ライあなた…いつのまに携帯なんか買ったの?!」
「へ?」

肩をぐわしっと勢い良くつかんだミレイはライをぐらぐらと揺さぶった。
保護者がわりであるミレイは、というよりスザク以外は誰も、ライが携帯を持っていることを知らなかったのだ。
何度もなんども揺さぶられたライは、多少顔を青白くさせていたが意識はあるようだった。

「あ、それ、もらったんです」
「もらった!?誰にっ!!」
「えっと…、その…」

問い詰められたライは顔を赤くさせ、俯き、声を小さくし、ぼそりと言った。

「僕の、恋人から」
「「「「………………………えええええええええええええええええええええっ!!!!!!!!!」」」」

相手も事情も知っているスザクと当の本人であるライはは困ったものだと顔を見合わせ苦笑したのだが、事情を知らない他の人たちはあれやこれやと騒ぎ立てた。

「ちょっと!お母さんそんなこと知りません!」
「ミレイさん、あなたはいつ僕のお母さんになったんですか」
「はい会長!私もしりませんでした!!」
「会長会長!俺も全く知りませんでした!」
「不本意ながら俺も全く知らないぞ、ライ」
「まぁ、誰にも言っていないし…」
「僕は知ってたけどね。結構前から」

困ったな。ここまで大騒ぎになると思ってなかった。とライは小さくため息をついたが、周りの人間んはそれよりもスザクの言葉が気になって仕方ないようだった。
みんなはじりじりとスザクに近付いていて、スザクも逃げるように後ずさりしている。
が、スザクの後ろにあるのは壁のみ。

「スザクくぅ~ん?どういうことかしら。なんで貴方が知ってるの?」
「誰なの?誰なの??」
「さぁ、吐いてもらおうかスザク!!」
「ルルーシュ顔恐い」
「…というか、言っていいの?ライ」

冷や汗をたらしながら逃げるスザクはライのほうを見るが、ライは苦笑した。

「いいよ、別に。名前とかまで言われたら困るけど、それ以外なら言われてこまることでもないだろうし」
「ライ…」
「それに僕が話すよ。生徒会のみんなに隠してた僕にも非がある」

伏し目がちで、嘲笑しているかのような表情があまりにも美しく切ないものだから、周りは一気に罪悪感に囚われてしまった。
ライは何も悪くないのに、自分達が問い詰めてしまったせいだ、と。
だがここまできたら引き返せない。
罪悪感を覚えても興味があることにかわりは無い。気持ちを切り替えて明るく前向きに質問することにした。

「職業はなにをしてるの?」
「軍の人。詳しくはいえないけど、軍で知り合った人だよ」
「かっこいい?!」
「うん。かっこいいよ」
「ほかには?優しいとか嫌味だとか」嫌味なのはルルーシュだよね」「だまれスザク!!」
「うーん…優しいし、ちょっと変なところあるけどいつも僕のこと考えてくれるいい人だよ」
「ひゅーひゅー!おあついねぇ!!」
「リヴァル、茶化さないでくれ」
「あら照れちゃって、ライ可愛い~♪」
「そ、その携帯はどこでかってもらったの?」
「え?」
「私の見たことが無い機種だから…」
「ああ、うん。これはまぁ、ね、うん」






色々な質問が終わり、今日の仕事が終わり、スザクとライは軍の施設に向かっていた。

「そういえばなんてメールだったの?ロイドさんからのラブコールは」
「ラブコールって、そんな大したしたものじゃないんだけどさ…」

ライはごそごそとカバンをあさり、携帯を少しいじってからスザクに画面を見せた。


From - Lloyd Asplund
sb - 今夜は
―――――――――――――
今日は仕事が長引きそうだから
僕の家に泊まる?
泊まるんだったらちゃんと夕飯
とかつくるけど。


     -----END-------

―――――――――――――


「ふーん。誘われたんだ」
「なんか、スザクの言い方は卑猥」
「でもじっさいやることやってるんでしょ?」
「それについてはノーコメントだがそういう台詞を爽やかな笑顔でさらっと言わないでくれ」
「まぁいいよ。で、君はなんて返したの?」

また少しいじって、画面をスザクに向けた。

to - Lloyd Asplund
sb - Re;今日は
―――――――――――――
本当ですか?じゃあお言葉に甘
えて泊まらせていただきます。
よかったら夕飯僕がつくりましょ
うか?

        -----END-----

――――――――――――――

「ミレイさんには泊まるって伝えた?」
「うんさっき、帰るときに」
「…おあついねぇ」
「スザクまでリヴァルみたいなこと言わないでくれ」

そう言いながらもすこし顔を赤くしているライを見て、スザクは何も言えなくなってしまった。
まぁ、ライが幸せならそれでいいか。と自分を納得させ、ライの横を歩き軍を目指した。

ってみせて。
それだけがだから。
(君の幸せをいつでも願っているよ)





 
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