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走った。後ろでライの声が聞こえたけれど、「すまない」とだけ言ってとにかく走った。
とりあえず、ティッシュはどこだ…!!(いろんないみで)
先ほどライと温泉に入った。
俺達は男同士だし、それはいたって普通のこと。…だが、あれは反則だ。
もともと顔が綺麗なのは知っていたが、さらけだされた白磁のような無垢な肌に、髪からしたたる水滴。
温泉の熱さで朱色に染まった頬と、壊れ物のように華奢で繊細な体。
あれはもう、女としか思えないというほどに美しかった。
そのせいで俺は鼻血(とか色々)出そうになって、冒頭に繋がるわけだ。
「ルルーシュっ!!」
「っ?!」
部屋に着いてティッシュを手に鼻を押さえていた俺は、突然の声にビックリしてふりかえる。
そこには、この鼻血の原因のライがいた。
「それ…どこか怪我してるのか?」
それといって彼が指をさしているのはゴミ箱。
そこには俺がさっき捨てた血まみれのティッシュがあった。
「ああ違うんだ。鼻血だよ、それは」
「はな、ぢ?」
「多分熱いお湯につかりすぎたんだと思う。もう平気だ」
いつものように笑ってみせると彼は安堵の表情を浮かべた。
俺はその表情に胸が高鳴る。…俺ももう末期だな。
コンコン
「あれ?誰かきた?」
ノックに反応してライは扉へ近付く。
誰だろうと思いつつも俺は散乱したティッシュをゴミ箱に捨てた。
「あ、ここにいた。ルルーシュ、ライ、もう夕飯だって。みんなが待ってるよ」
スザクだった。どうやら俺達を呼びに来てくれたらしい。
「僕たち待ちか?」
「うん。君らで最後だよ」
「そうか…それは悪いことをしたな」
「ははっ、大丈夫だよ、誰も怒ってないから」
「それは良かった。ルルーシュ、行こうか」
「ああ、そうだな」
ライは恥ずかしげも無くさっと俺の手を掴んで部屋を出た。
それがとてつもなく嬉しくて、俺は答えるように彼の手を握り返す。
そんな俺たちを見たスザクが「ラブラブだね」と言った。
するとライの顔が赤くる。でも手は握ったまま。
…脈なしではなさそうだな、と思った。
「夕飯を食べ終わったら、また温泉にはいろう。
さっきはリヴァルのせいでゆっくりはいれなかったし」
そっと秘密を伝えるような小さな声。
でも俺には確かに聞こえた。
「もちろん、いいさ」
そう答えたはいいが、今度は俺の理性がもつだろうか。
…どうやら理性と欲求の激しい戦いになりそうだ。
林檎の君
「…それに、ふたりきりでいたいんだ。君と」
「え?」
「ああいや、なんでもないよルルーシュ。さぁはやくいこう」
「?わかった」
先ほどよりも小さな声で、何か聞こえた気がする。
でもきっとあの言葉は俺の願望だろうから、何も聞かないことにした。
(あああああ聞こえなくて良かった!!なんてことを口走ってるんだ僕は!!)
(…多分俺の妄想だろう。ライがそんなこと言うわけが…!!)
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