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星の光 (C.C.+ライ:?編:ライは過去の記憶あり)


悲しみと絶望の場所、エリア11。
廃れて傾いているビルのてっぺんで、僕は空を仰ぐ。
無限に存在する星達がきらりきらりと踊っていた。

「こんなところにいたのか」
「…C.C.」

何のためらいもなく僕の隣に座った彼女は、僕と同じようにすう、と空に目を向ける。
でもその視線はすぐに僕へと向かってきた。
それにあわせて、僕も空から彼女に視線をうつした。

「なぜお前はここにいる?」
「そうだな、強いて言うなら」

もう一度空をみあげる。
やはり星たちは踊っていた。

「僕と同じだから」
「同じ?どういうことだ」
「知っているかい?星の光は全て、過去の存在なんだよ。
星の光がこの地上に届くまでには、その星によって違えどかなりの時間がかかる。
それこそ、何分、何十分、何時間、何十時間、何日、何十日、何年、何万年、何億年という時間が。
『今』僕らが見ているあれらは、全部過去の光。
過去でありながら、今存在している。僕と同じじゃないか」

あれらも僕も、過去のモノ。
けれど『今』ここに、僕らは存在している。
存在してしまっている。

「ほう、確かにそうだな。それに星もお前も、綺麗だ」
「綺麗なんかじゃないさ。僕は穢れてるし、狂ってもいる。綺麗なんて言葉には程遠い」

この頭で、この目で、この口で、この手で、この足で、幾多の人を殺してきた。
ほら。こんなにも、穢れている。

「ならばちがう。星とお前は似ているが、違う。
たしかにお前は血で穢れているかもしれない。
だが、今お前は私の隣にいる。
星のように、手の届かない場所にいるわけではない。
手を天へ伸ばしても、星はつかめない。
けれどお前へ手を伸ばせば、」

心地よいぬくもりが降ってくる。
彼女の腕はいつのまにか僕の体にまわされていて、手が、指が優しく僕を撫ぜる。

「…こんなにも近くにいるじゃないか、私たちは」
「ああ…。ああ、そうだね。そうだ」

それでも僕は、今ここにいるじゃないか。
ならば僕のやるべき事は一つ。
今の僕が、出来る事をするだけだ。


「ありがとう、C.C.」
「礼を言われるほどじゃない。それに礼を言うのは私のほうだしな」
「…?なぜだ?」
「それはな…いや。言ってやらん」
「え?!」

やけに挑発的に笑って彼女は立ち上がり、そのままふらりとどこかへ消えてしまった。
それがなぜかおかしくて、彼女らしくて、僕もひとつだけ笑みをこぼした。








僕は星の光のように美しくはないけれど、
それでも僕は、星のように輝きたい。
それでも僕は、今を生きたい。
仲間と共に、未来を歩みたいんだ


(優しく輝いてる君は、ほら)
(こんなにも近くにいるじゃない)



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