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あいつはもう、俺の隣にいなかった。
悔しくて寂しくて、辛くてたまらない。
どうして、どうしてお前が俺の隣にいないのだろう。
学園祭でおきた事件以来、ライは姿を消した。
俺もふくめて生徒会のみんなの活気が薄れていた。
学園祭実行委員長として頑張っていたライが、どこにもいないのだ。
どれだけ探しても見つからない。
みんなあんなに近くにいたのに、どこか遠くへ消えてしまったライのことが大好きだったんだろう。
「はーい!お弁当もってきたわよ!!」
そんな今、会長の案によりもう一度学園祭をやることになった。
なので全員でまた学園祭の準備をしていた。
「はい、これはルルちゃん」
「ありがとうございます会長」
「これはスザク君で、こっちがリヴァル」
「ありがとうございます」
「さんきゅー会長!」
「これがニーナでこっちがシャーリー」
「ありがとうミレイちゃん」
「わぁっ!ありがとうございます!」
「で、これがカレンので…」
「ありがとうございます」
全員に弁当を配ったが、会長の持っている袋にはあと2つ残っていた。
「会長?ひとつ、多く買ったんですか?」
「ううん、違うの。これはね…」
苦笑しながら、「これは、ライのぶん」とそっと俺の隣においた。
ふと俺は、その弁当を受け取って「ありがとうミレイさん!」と笑うライが見えた。
ついに幻覚まで見えるようになったのか、俺は。
ライがいないことが悲しくて、寂しくて、辛くて、俺は知らぬ間に泣いていた。
「ルルーシュ!?ごめんなさいね、こういうことするべきじゃなかったかしら…」
会長が心配そうに俺の顔を覗き込む。
俺は涙をぬぐって、笑った。
「そんなことないですよ。きっと、ライも笑ってますって」
あのあと、俺は風にあたるべく屋上にいた。
先ほどはつい泣いてしまったが、今はそれほどでもない。
そのとき、ギィ、と扉の開く音がした。
「誰だ?」
「ふふっ…いつきても、ここは学園祭のようだな」
「………っ!」
聞き覚えのある声にバッ、と後ろを振り返ると、あいつがいた。
俺は泣きそうになるのを堪えて、ライのそばに近寄った。
いなくなった小鳥
(ああ、やっと戻ってきた。俺の、俺だけの小鳥)
(もうどこにもいかないで。ずっと、俺のそばにいて。)
ライを抱きしめて、キスをして、
「もういきなりいなくなったりするな」
と言った。
君は少しだけ顔を赤くして、笑って答えた。
「どこにもいかないよ。僕は君だけの小鳥だから」
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