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「るル、しゅ?」
「ライ…!喋るな、何も喋るなっ!!」
ルルーシュは必死でライを止めるが、ライはそれを聞かずに喋り続けた。
「最後に、あえてよかった」
「最後なんかじゃない!今医者を…!」
かたかたと小刻みに震えるルルーシュの手に、ライの手がそっと重なる。
重ねられたその手は、とても愛おしそうにルルーシュの手を撫でていた。
「ぼくは…君に出会えてよかったと、思ってる」
「っ…!ライ」
「ゼロが君だと知っても、ぼくは君のそばにいたいと思った」
とぎれとぎれなライの声は、ルルーシュの恐怖を更に駆り立てた。
愛する人を失う恐怖をルルーシュは知っている。
だからこそ、恐かった。
また愛する人を失う事が、恐かった。
「ライ!ライ!!死ぬな、死ぬな…っ、生きろ…!」
「ははっ…きみは、なきがおもキレイなんだ、ね」
「そんなこと言ってる場合じゃないだろ!!ライ、どうして、こんなっ…」
「でもぼくは、わらってるかおの方が…すきだよ」
「俺だって、おまえの笑ってる顔が好きだよ、ライ。
だから、だからもう一度笑ってくれ。俺と共に、もういちどっ…」
しだいにルルーシュの瞳からは大粒の涙があふれだし、頬を伝う。
それはポタリ、ポタリと静かにライの頬もぬらした。
「きみは、ずっとそこにいたんだね」
「…え?」
「そこでずっと…ひとり、だった。
ごめん、ずっとひとりにして。でもぼくは」
「ライ…?」
「ぼくはきみの、そばに…いるよ。
ずっと一緒だから…だいじょ、ぶ」
ライはこの状況の中でも、花のように可憐に、優しく笑った。
その笑顔に、ルルーシュはどれだけ救われてきたことか。
「っ…」
「もう、ひとり…じゃ、ない……よ。
ぼくが……そばに、いる…か、らね」
「ああああああ!!駄目だ、駄目だ死ぬな!ライ!!」
「おやすみ…ルル、シュ……
大好きだよ……きみの、こと。だからどうか
しあわせになって」
「う゛あ゛あああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」
声が枯れるまでさけんだ。
声が枯れても叫んだ。
涙が枯れる泣いた。
涙が枯れても泣いた。
それでもライは、もう戻ってこない。
end
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